2017/11/1

東京医科歯科大学スタディツアー

ISAPH 事務局

2017年8月31日~9月1日に、ISAPHラオス事務所にて東京医科歯科大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。参加された方から感想文を頂戴しましたのでご紹介いたします。

                              

ラオスでのISAPHによる支援について   東京医科歯科大学 磯田 真由香

2017年8月31日、9月1日の2日間、ISAPHのスタディーツアーに参加させていただきました。ISAPHによる栄養・衛生の改善に関する活動についてお話をうかがい、県病院や郡病院、村の見学もしました。私は、特にISAPHの個別保健指導・支援についてのお話が印象に残りました。ラオスで患者が医療を受けるにあたって、アクセスの問題や経済的な問題が課題となっており、特に地方でこれらの問題は大きいと思います。私自身、村へ見学に行くために舗装されていない道を通った時、車がとても揺れ、患者や妊産婦が移動するのは困難だと感じました。また、村では、食料はあり、生活をしていくことは可能ですが、現金収入が少ない家庭があることも学びました。ISAPHでは栄養・衛生の改善を行っており、家庭訪問をすることで母親や子供の栄養状況、家族構成、収入などについて知り、課題を見つけ、その家庭にあった対応をしていることがわかりました。集団で対応するのではなく、家庭訪問をすることで、対象の方も真剣に課題と向き合うようになり、家庭訪問が効果的であることがわかりました。また、栄養が不足している家庭や現金収入がない家庭には、バッタやコオロギなどを育てるよう指導することで、育てた昆虫を食べて栄養を摂ったり、売ることで収入を得たりできるという支援も印象に残りました。現金収入がない家庭でも、持続可能な方法で、対象の方が主体となるような支援をしている点が良いと感じました。2日間、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。

高床式の建物が並ぶ村の様子

                       

スタディツアーで学んだこと   東京医科歯科大学 加納 史織

学校の海外研修プログラムでラオスへ行った際に、ISAPHのスタディツアーに参加させていただきました。私はラオスの医療と日本の医療の違いを学びたかったので、カムアン県の県病院に行った際に、日本の病院と比較しながら見学しました。県病院は日本の病院に比べて、感染予防対策がされていないと感じる点が多かったです。たとえば、小児病棟では感染症にかかっている患者とそうではない患者が違う病室にいるものの隣の部屋にいました。さらに、日本の病室のように入室の際には手指消毒を行う必要はなく入り口に消毒薬があるという事もなかったです。安全対策についても、ベッド柵がなく転落の危険があるように思いました。一方で、日本にはないラオスの良さを感じることもありました。例えば、県病院には家族が病院に寝泊まりできるよう、家族用の建物がありました。家族が離れて過ごさなければならず、とても寂しい経験をしたことがあるのでとても羨ましく感じました。

スタディツアーを通してラオスの人々の温かさや家族の絆を感じ、ラオスにはラオスの良さが沢山あると分かりました。今までは国際的な医療支援を行うことで世界の医療水準を上げていくことが出来たらよいと考えていましたが、今回の経験で私の考え方も変わりました。ラオスにはラオスの伝統や文化があり、ラオスの人々の幸せは自分の物差しでは測ることが出来ません。支援をするのならまずは現地の人々の事を知ることから始める必要があると学びました。ラオスの人々が本当に求めている支援とは何か、現地の人々の声に耳を傾け、必要とされているのであれば現地の人々を尊重した援助を行う必要があると感じました。

カムアン県の県病院の手術室

                       

ISAPHの活動見学から「支援とは何か」を考える   東京医科歯科大学大学院 鴨田 玲子

study tourとして2日間、ISAPHラオス事務所、およびISAPH事業対象のKhammouane Provincial Health Office & Hospital、Xaybouthong District Hospital & Health Office、Xaybouthong District Hospitalから車で約30分の村を訪問させていただき、様々な立場の方からお話を伺う機会を得、様々なことを考え学んだ。

「限られた資源(医療供給体制や社会保障制度など)で今できる最善の医療」という課題に対し、医療機関側がISAPHほか様々な支援機関とともに、5S活動や医療機関内の人材教育に取り組んでいる中で、支援側の「ラオス人の尊厳を大切にし、押し付けにならないように改善提案する重要さと難しさ」を知った。私も海外での勤務経験があり、海外で働くには柔軟な提案力が必要な技量だと再認識した。しかし、国家プロジェクトとして組織改善介入を行う場合、「支援とは何か」を常に意識する必要があるという点は、認識を新たにした。

非常に興味深かったのは、母子保健サービス戦略である。アウトリーチ活動による情報収集で、具体的な課題解決戦略を立案した後、行政へのアプローチだけでなく、マルチステークホルダーアプローチが実際に行われていたことだ。このアプローチを行うためには、人々の生活全般だけでなく、それにかかわるステークホルダーの能力にも着眼し、win-winの関係づくりが必要である。さらに「支援とは何か」という観点により、住民と社会にとってsustainableな改善につながることは、ISAPHの活動で深く学んだ。自身の今後の研究にも大いに影響する学びであった。

最後に、ISAPH事務所の皆様、関係各機関の皆様、住民の皆様、ご多忙の中私たちを快く受け入れていただきまして、感謝申し上げます。

                       

ISAPHのスタディーツアーに参加させて頂いて学んだこと   東京医科歯科大学 半田 優香

私は以前から母子保健活動に興味があり、このスタディーツアーを大変楽しみにしておりました。初日の佐藤さんからのお話の中で、ISAPHの活動は、住民の正しい知識、村の協力体制、貧困や社会保障に焦点を当てていらっしゃることが良く分かりました。その中でも特に、貧困という問題は、物質的な面だけでなく、人の心や人同士の繋がりにも目を向けなくては解決できない問題であると分かり、改めて難しい問題だなと思いました。

サイブートン郡の郡病院とヘルスセンターを見学させて頂いた際には、5S(整理、整頓、清掃、清潔、習慣化)の重要性を知ることが出来ました。5Sの取り組みを行う前の病院の写真も見せて頂き、その効果は凄いなと思いましたし、ちょっとした取り組みで病院全体の環境が大きく変わるのだなと感じました。

農村を歩く途中に、その村で暮らす子供たちの姿を見ることが出来、子供たちの笑顔や楽しそうに走ったり遊んだりしている姿を見て、すごく元気をもらいました。同時に、この子たちの笑顔が病気によって奪われないためにも、何か私たちに出来ることがあればそれを形にしたいと強く感じました。

ツアーへの参加は、自分の将来について、また今後国際医療にどう貢献していきたいのかを考えるきっかけとなりました。今回は見学が中心でしたが、次回ラオスを訪れた際には、自分も活動に参加して少しでも役に立てる存在になりたいと感じました。このような貴重な経験をさせて頂けたことに、心より感謝申し上げます。

タケクの看護学校で現地の学生さん達と一緒に

                       

ISAPHプログラム感想文   東京医科歯科大学 前川 紗莉

私は、ラオスのタケクにて2日間ISAPHの研修に参加させていただき、ISAPH の活動に関して説明をいただき実際に現地の病院の様子や村の様子を見学し、現地学生と交流するなど貴重な体験をさせていただくことができた。

研修に参加させていただいたことがきっかけとなり、自分の理想となる途上国への医療支援の方法が少しずつ見えてきたように感じる。ラオスでは、病院から30分程度の村でも人々は病院に行くことができず虫垂炎のような治すことができる病気で亡くなってしまい、生活環境でもこもった部屋でもち米を炊いて部屋に煙が充満しているなど、改善すべき点は確かにあると感じた。しかし村の様子は、人々の様子や時間の流れも非常に温かさがあり、その雰囲気が私はとても好きである。また様々な伝統も存在し、人々の生活にも深く浸透していた。私は以前途上国に行った時から、病気も文化も宗教も異なる国に日本の医療者が入って行って支援を行うことに違和感を覚えていた。それは、他国を日本の色に染めていくことへの違和感だったのではないかと思う。ISAPHの方々の活動や村の様子から、村を日本のように変えていくのではなく、アウトリーチや養殖促進のように自身をラオスの色に合わせ、その中の様々な工夫による的確な問題解決の過程を見ることができた。医療支援の在り方として学ぶことも多く、自分の将来の働き方を考える手掛かりを見つけることのできた体験であった。

最後に、このような学びの多い貴重な機会を与えてくださったISAPHの方々をはじめとする、研修に携わってくださった方々に心から感謝の意を表したい。

訪問させていただいた村