2017/9/13

AINプログラム:住民の食生活の実態を知るために

ISAPH LAOS 佐藤 優

                              

言葉とイメージがバラバラにならないように、
写真を使って質問している

食べた量が具体的に分かるように、
食器を使って答えてもらっているところ

栄養事業のディスカッションをしている様子

村の状況を視察する三好先生(奥)

 

「昨日、何食べた?」

皆さんはこの問いにどれだけ正確に答えられるでしょうか。ある人は、3時に食べたおやつを忘れて申告するかもしれません。ある人は、自分が思い出した量が実際に食べた量とかけ離れているかもしれません。

これまでISAPHラオス事務所が活動している地域では、子どもの低身長・低体重が問題となっていることをお伝えしてきました。これらは子どもが摂取している食事の結果として起こりますから、子どもたちの食事・栄養に問題があることは予測できます。しかし、具体的にそれがどのような内容であるのかは十分に情報がありません。そこで私たちは、2017年4月から始まった公益財団法人味の素ファンデーション・AINプログラムのご支援による活動の一環として、子どもたちが毎日何をどのように食べていて、どのような栄養素が不足しがちであるか、またそれがどのような背景から起こっているかを知るために、食事・栄養実態調査を行うことを決めました。とはいえ、冒頭で質問したように、食事・栄養に関する調査はそんなに簡単なものではありません。そこでこの度、国立健康・栄養研究所の三好美紀先生にご協力いただき、子どもたちの食生活を明らかにするために必要な技術や知識をご提供いただきました。どのように質問すれば、子どもたちの食べた種類や量をより正確に知ることができるか、沢山のアドバイスをいただきながらアンケート用紙を作成し、調査に必要な器具を準備していきました。

この調査は時間的な都合で7月に行われましたが、7月と言えばラオスでは田植えの真っ最中です。「明日は子ども食事のことで質問があるから、畑に行かずに待っててね」と事前に連絡しても、住民にとっては生活が優先ですから、なかなか会えません。私たちが活動する3つの村には、約300名の子どもたちがいますが、なんとか村落ボランティアの力を借りながら、約1か月で調査を終えることができました。もちろん、これで終わりではありません。集めてきた情報は、子どもたちの摂取栄養素量を計算するために特別な分析を行う必要があります。三好先生には、ラオスまで足を運んでいただき摂取栄養素の分析についてご指導をいただきました。また、村の状況も一緒に視察することができ、これから村の子どもたちへ介入していく食事・栄養の問題をどのように考えていく必要があるか、ISAPHの栄養事業全体についてもディスカッションすることができました。

今はまだ分析の結果が出ていませんので、住民の本当の食生活から明らかになった問題点は、また別の機会にご報告させていただきます。この結果は、今後、郡保健局のスタッフやカウンターパートに伝え、住民の食事・栄養の問題を一緒に考える土台にしていく予定です。本事業は食事・栄養をテーマとしていることから、住民の生活に直接的・間接的な影響を与える内容です。ですから、この調査を実施するには日本人の協力が必要だったとしても、我々の意見の押し付けにならないように、ラオスの人々を中心として事業を形作っていきたい、というのが私たちの想いです。