2017/4/24

山梨県立大学スタディツアー

ISAPH 事務局

 2017年2月14日~18日に、ISAPHラオス事務所にて山梨県立大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。参加された方から感想文を頂戴しましたのでご紹介いたします。

                              

ISAPHの活動視察から得た気付きと学びを通して   山梨県立大学看護学部 在原 寛乃

今回ラオススタディツアーの一環としてサイブートン郡での活動視察や病院見学をさせて頂き、実際に現地の方々と交流しながら保健活動をしているISAPHの方々を間近で見る中で多くの学びと自分の考えを深める貴重な機会を得ることができました。

特に印象的だったのは「できるだけ健康教育は現地の方を介して伝えるようにしている」というお話であり、教えることだけを目的とせず、受け手の尊重と理解を大切にする姿勢をもって日々取り組まれているのだという重要な視点に気付かせて頂きました。また、妊婦健診受診率の課題の裏には知識や認識の不足だけではない、その他様々な問題が絡んでいることを知り、一つの問題であっても介入・アプローチをすることの難しさを大きく実感しました。

病院見学ではISAPHを含めた多くの団体のサポートにより病院での出産数の増加や歯科受診率の向上など多くの成果を挙げていること、そして家族計画室での指導の実施など現地において必要だと思われる部分にアプローチした教育を実施している様子などを見て、ISAPHの方々は、現地の方々と交流し生活の様子を住民の視点で捉えながら必要な教育や保健活動を見極めていること、そしてこうした住民に近い立場にあることこそが現地の方々の本当のニーズを引き出せる鍵となっているのではないかと感じました。

文化も慣習も全く異なる地で、現地の方々と、現地なりの方法で、健康の形を模索し確立していこうと働きかけ奔走するISAPHの方々と今回関わらせて頂いたことは、私の人生の中で考え方や視野を広げる非常に貴重な機会となりました。ISAPHの皆様にはご多忙の中、こうした貴重な機会を頂きまして本当にありがとうございました。

                       

ISAPHラオス事務所訪問、活動見学からの学び   山梨県立大学看護学部 上原 みすず

今回事務所や村を訪問させていただき、草の根でのその地域に合った支援活動をすることの大切さを学んだ。町から外に出てみると、人々の時間の流れや道路環境、文化など日本とは異なっている部分が多くあった。このように日本とは違う国・地域に対して、日本における「常識」を理解してもらうということは、難しく時間のかかることであると実際にその場に行って強く感じた。また、村の子どもたちと折り紙を一緒に折ってみて、子どもたちは折り方をまねるのがとても上手で、長時間集中して折り紙に取り組んでいた。このように、興味・関心があることに積極的に参加する姿勢があることから、支援の内容について現地の人々が理解した上で一緒に活動をしていくことが大切であると感じた。

このような体験やISAPHスタッフの方々の話を聞き、支援する側というのは今後支援するメンバーが抜けた後、現地スタッフだけでも現状を維持しながら活動していけるかという視点が必要であると分かった。そのためにも、基礎作りや現地の人々のニーズは何であり、現在どの程度解決できているのかということを考えながら活動することの大切さを学ぶことができた。

今回のスタディーツアーは、私にとって国際協力に触れる初めての機会であり、実際に自分の目で見ることができ、今後も国際協力について学び、参加していきたいと感じることができた。このような充実した学び、体験をさせていただき、ありがとうございました。

                       

ISAPHラオス事務所で学んだこと   山梨県立大学看護学部 清水 夏那子

私たちは、2月16日にISAPHラオス事務所にて講義を受け、17日にサイブートン郡での保健指導を見学、一部に参加した。はじめに、タケクに到着した際、首都ビエンチャンとの格差に驚いた。日本では、東京から離れていても道は整い、病院などの設備に大きな差はないが、ビエンチャンから離れると道路整備がされていなかったり、十分な医療を受けられる施設がなかったりして、地域差が明らかだった。このような国であるからこそ、中枢の整備だけではなく、各地域に根差した草の根活動の必要性もあることを、この時実感した。

ISAPHラオス事務所では、主にその概要とアウトリーチ、栄養改善事業、マイクロファイナンス事業について説明を受けた。その中で、私が感じたのは、援助の難しさだった。たとえば、栄養改善事業の根拠になっているるい痩やビタミンB1欠乏症の原因は、食文化によるところが大きいことが分かった。また、マイクロファイナンス事業の仕組みが十分に機能しきれていない事実を知った。以上のようなことから、日本で考えた方法や根拠を、その国にただ持っていくだけでは援助につながらないことが分かった。

実際の保健指導の場では、指導の難しさもあったが、それ以上に住民の強みに感動した。現代の日本では、核家族化がすすみ地域でのつながりも希薄になっているが、ラオスの村では大人から子どもまで一緒に保健指導や成長モニタリングに積極的に出向いていて、凝集力の強さを感じた。このような強みを現場で感じて、指導に反映していけるというのは、草の根活動ならではのものだと感じた。

                       

ISAPH訪問報告   山梨県立大学看護学部 杉山 祐季

ISAPHを訪問させていただき、草の根レベルでの支援について具体的に学びを深めることができました。そして特にISAPH訪問の中で印象に残っている言葉は「支援の中で最も重要なことは私たち支援者が去った後もラオスの人々が継続可能であること」という言葉です。

今回訪れたサイブートン郡では、歴史の中で培ってきた経験的な知識が文化や価値観を創っており、また自ら医療機関に足を運ばない人が多いという現状が、高い乳児・妊婦死亡率につながっています。この現状に対して保健医療サービスの「サービス提供側」と「サービス受領側」への二つの支援があること、また片方のみではラオスの人々と共にラオスを変えていくことはできないことを学びました。「サービス提供側」には医療器具等の物資を支援したり、医療従事者への技術や知識を支援したり、水準を高めたりすることが挙げられ、「サービス受領側」には人々に受診や治療の必要性やバランスの良い栄養摂取の有用性を知らせることで考え方を柔軟にしたり、村の緊急貯蓄金やマイクロファイナンス事業のような人々の生活ニーズにあった仕組みを共に築く中で人々が自分たちの力で生活することができるような技術を提供したりすることによって、実践に繋げることが挙げられます。

この学びから、私は、提供政策と実施する人々の価値観には大きなギャップがあり、そのためISAPHのような草の根活動を行いサービス受領側への支援も同時に行ってゆくことで、ラオスの人々の生活ニーズにあった継続可能な支援へと繋がってゆくのだと考えることができました。

                       

ISAPH   山梨県立大学看護学部 中川 璃保

ビエンチャンからISAPHが現在活動しているタケクに至るまでの道中で、ところどころにある民家に大きなアンテナが設置されているのを何度も見た。同じように、現在ISAPHが事業の対象としている村でも、娯楽を求めて少ない現金収入を電気やテレビに費やしてしまい、食生活のバランスが崩れているという現象が起きているそうだ。少ない収入の中で何に優先的にお金をかけるか、ということを考えると多くの日本人は食費や教育費を挙げるだろう。それは、多くの人は食事が健康にどのような影響を及ぼすか知っていて、教育が将来にとって重要なものだと考えているからだと思われる。

では、なぜラオスの人が娯楽を優先してしまうのかというと、栄養に関する知識が少なかったり、先進的な隣国のエンターテイメントをテレビで楽しむことができたりするからだそうだ。そして、そのため食生活が貧困になり、低身長やビタミン欠乏による症状などが発生しているのだという。この現状を改善するためには、ただ知識を伝えて実践させようとするのではなく、前述のようななぜそのような状態なのかという背景を探り、現地の人々にとって持続可能な方法や、村全体での利益を得るためのファイナンスの方法を支援していかなければならないことがわかった。

また、住民の生活を変化させるには、現状の把握だけでなく住民とのコミュニケーションや信頼関係も必要だと学んだ。直接出向いて活動し、住民がその成果を感じられるような支援を行うことが、住民により近づいたISAPHの支援における重要な点だということが分かった。

                   

ISAPHの活動見学を通して学んだこと   山梨県立大学看護学部 中村 円香

今回の研修では、サイブートン郡の村でのISAPHの活動や、保健局の訪問、そして郡病院の見学をさせていただいた。村は、舗装されていない道が続き、家屋は木で作られた簡素なものがほとんどだった。その一方で、多くの家に大きなパラボラアンテナが設置されていたり、郡病院は患者がほとんど見られないのに最新の機材が置かれていたりと、不調和な光景に驚いた。

ISAPHの活動内容についての説明からは、母子保健環境には、保健知識、インフラ、社会経済、農業、環境問題等、様々な分野が密接に関連しており、多角的アプローチが重要であること、つまり、村の生活全体を見ていくことが重要だということを学んだ。

そして、知識があるだけでは行動が大きく変わることは難しく、また、意思があっても正しい知識がなければ、行動しても求めている結果を導くことができない。また、知識を行動に移すことができる環境も必要である。支援を行っていく際には、知識・村の協力体制・貧困や社会保障といった環境がかみ合うように、そして支援する側の当たり前を押し付けるのではなく、その地域のニーズ、現状に即したものであるかを住民の目線で考えながら、住民が健康でいられる仕組みづくりを支えていくことが重要だと感じた。

                   

ISAPHの活動視察や講義での学び    山梨県立大学看護学部 花輪 一真

視察した活動の主な内容は、サイブートン郡の村での妊婦や母子を対象に、母子保健教育を行っている様子でした。村の子どもや母親は、ISAPH職員の説明を注意深く聴いていて、その様子を見て私は、ラオスで母子保健が大きな課題として取り上げられていることの原因の一つに、情報や知識が不足しているということが大きく関わっているという事を肌で感じました。

また、講義の中で「健康教育などの活動を現地で行っていく際に、住民が健康であろうとしている気持ちをせき止める原因を突き止める必要がある」という話がありました。住民サイドに、教育内容以上に優先順位の高い問題があったり、気持ちの面で「面倒である」といった回避の感情があると、なかなか教育が浸透しにくいことが考えられます。このことを意識しながら健康教育を行っていくことで、住民の気持ちを置いていかず、また自分のニーズを押し付けることも防ぐことができると考えました。これは、とても大切なことであり、また自分にはなかった視点であったため、国際協力、なかでも健康教育を行っていくことに不安を抱えていた私にとって大きな学びにつながりました。

その他にも、実際に取り組んでいるプロジェクトの概要などの説明があったため、自分の中でISAPHと国際協力への理解が深まりました。

                   

ISAPH研修レポート   山梨県立大学看護学部 渡邉 朱音

今回、国際保健医療演習を履修し、ISAPHのラオス事務所を訪問させていただいたり活動を見学させていただいて、感じたことや学んだことが大きく2つある。

1つ目は、草の根レベルでの国際協力を推進するために、地域の住民の方々との協調を大切にしながら地域保健の向上を支援しているということを強く感じた。実際に村を訪問、視察させていただいたが、やはり現地の人々との距離が近いため、よりはっきりと村の人々の暮らしぶりがわかった。現地の人々と近い距離で活動することで人々の健康課題を明確にしやすくなったり、課題解決のためのアプローチ方法も考えやすくなったりするのではないだろうかと感じた。栄養改善事業に関してバラエティー豊かな調理法の普及活動や村内での助け合い精神の醸成を促す活動をしているというお話をお聞きしたことからも、現地の人々に寄り添い、一緒に地域保健向上のために活動をしているという印象を受けた。

2つ目は、母子保健の改善のためには、栄養改善やインフラの整備など、多分野から多角的にアプローチをしていくことが重要であるということである。現金収入の不足から緊急時の治療費や交通費が払えないという状況に陥っている現状から村の緊急備蓄金、マイクロファイナンス事業が実施されていることがわかった。この事業からも、この研修前は、村の人々の知識不足に原因があるから正しい知識をつけてもらうために健康教育を行うことが大切なのではないかと考えがちであったが、幅広い視点から母子保健について捉えることが大切であると感じた。

今回の研修を通して貴重な経験をさせていただき、新たな学びを得ることができた。研修を受け入れてくださったことに心から感謝を申し上げると共にこれからの学習に繋げ、国際協力に関する考えをより深めていきたいと思う。ありがとうございました。