聖マリア学院大学スタディツアー

2016年8月21日~26日に、ISAPHラオス事務所にて聖マリア学院大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。参加された方から感想文を頂戴しましたのでご紹介いたします。

ISAPH 事務局

ラオスを訪れて思ったこと

私は今回初めてラオスを訪れました。ビエンチャンは、私が想像していた景観よりはるかに発展していて本当にここが開発途上国だろうかと疑問に思うくらいでした。しかし、ラオス赤十字社やマホソット病院などを見学させていただいて、景観は発展しているけれど、設備内容や人材がそろっておらず、病院や企業として十分に機能できていないのだなと思いました。ラオスで輸血を提供できるところがラオス赤十字社しかないことは少し驚いたと同時に病院も家族も大変ではないかなと思いました。その後訪問させていただいたChild Hospitalで院長さんが輸血センターを病院内に作りたいとおっしゃっていらしたので、やはり不便に思われているのかなと思いました。

タケクは、ビエンチャンよりも設備の不十分さを感じました。タケクに滞在していて不発弾がまだ埋まっているような土地には思えなかったので、不発弾の問題があるといわれた時は驚きました。県病院では、受付では内容ごとにカードが渡され呼ばれたら個人の詳細な問診を受けレコードするというシステムがあったことが意外で驚きました。タケクに到着するまで、道路は舗装されていたり、普通の土だったりしたので、パークワイトン村に行くまでの道が、まさか赤土だとは思いもしませんでした。パークワイトン村のモバイルクリニックでは自分の生まれた日がわからない人が多いことを知り、鈍器で殴られたような衝撃を受けました。また、妊産婦健診で使われていたドップラーが筒状のプラスチック棒であったことに驚きました。

今回、国際協力について考えるよい経験をさせていただきました。本当にお世話になりました。ありがとうございました。

聖マリア学院大学 上之薗 裕惠

妊婦さんの問診をしながら情報を記録している様子

ラオス 赤土の道のり

わたしは将来、開発途上国で、看護・公衆衛生の知識を活かした協力活動を行いたいと考えています。そのため、後発開発途上国に位置づけられているラオスを訪れ、保健医療施設の見学、また、首都ビエンチャンから離れた場所で母子保健活動を行うNPO法人ISAPHの活動を見学できるスタディツアーに参加しました。

スタディツアーの中で最も衝撃的だったことは、ISAPHが活動しているカムアン県サイブートン郡パークワイトン村までの道路事情でした。カムアン県の県庁所在地であるタケク郡より四輪駆動で2時間半かかるその道は、タケクの宿泊していたホテルを離れると、岩山や牛や山羊が目に写るようになり、舗装されている道路から途中で赤土の道に変わりました。雨季で赤土はぬかるみ、その道を行く車内はアトラクションさながらに上下左右に大きく揺れ、到着した時は皆疲れと安堵の表情でした。首都のビエンチャンやタケク郡のホテル周辺では感じなかったのですが、医療が行き届かない場所、医療へのアクセスが困難な場所とはこういうことなのかと改めて実感しました。村では、ISAPHと郡保健局の連携により、赤土のぬかるんだ道を徒歩やバイクに乗り集合した住民へ、健康教育や乳児健診、妊婦健診が滞りなく行われている様子を見学させていただきました。開発途上国での医療活動では、その活動場所の地域の人々の健康面だけでなく、地域の人々が暮らす環境を理解した活動が求められるのだと思いました。

最後に、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

聖マリア学院大学 宮原 由里美

赤土の道を走り、ISAPHの活動場所へ

ラオスでの学び

ISAPHでの研修を通して、実際に事業地域に同行し、栄養に関する健康教育や一歳児未満の健診、妊婦健診を見学させていただきありがとうございました。また、セバンファイ郡でどのような活動を行っていたかなど発表してくださったおかげで活動をイメージしやすかったです。また、健康教育や妊婦健診などを実施したことによって、ビタミンB1欠乏症による乳幼児死亡数の減少や妊婦健診受診率の増加などの成果が得られたのはすごいことだと感じました。私も一度だけ、フィリピンに行った際、手洗いに関する健康教育を実施したことがありますが、自分たちが帰国したあとも現地の人々が継続できるように、どうしたら今後も続けてもらえるのか考えながら準備し、実施することの大切さを改めて学びました。そして、活動をするにあたり、まずは住民の生活を知る必要があることを学びました。活動中は言語や文化の違いなど、活動した人にしかわからない困難が多くあったと思いますが、それを乗り越えて結果を出すことは、現地の人々の健康を改善するとともに活動に対する達成感にもつながる素敵な仕事だと感じました。高校生の頃から国際協力に興味があり、JICAの活動報告会などに参加したこともありますが、今回の研修を通して、より強い気持ちが芽生えたように感じます。今回の研修で自分たちが学んだことや感じたことを、今後、学院祭での発表などを通して少しでも多くの人に伝えていきたいと考えています。お忙しい中ありがとうございました。

聖マリア学院大学 油井 彩華

一歳児未満の健診で身長測定をしているところ