2016/7/12

マラウイ「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」最終報告会の
実施について

ISAPH Malawi 村井 俊康 

発表を行う健康監視員


集合写真


マラウイ国において実施しました「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」が2016年5月29日に終了を迎えました。プロジェクト終了のおよそ1ヶ月前に実施した同プロジェクトの最終報告会についてお知らせいたします。

4月26日に首都リロングウェにおいて開催しました同会ですが、マラウイ国保健省本省、ムジンバサウス県保健局、エディンゲニ保健センター、国際協力機構(JICA)マラウイ事務所、国際連合世界食糧計画(WFP)、JICA青年海外協力隊員、並びに現地報道機関のご出席を賜り無事に終了することができました。当プロジェクトからはプロジェクトによる活動及び成果を現地カウンターパートである健康監視員とも協力をしながら発表しました。また、同プロジェクトで得られた知見に基づき現地関係機関に対する提言を行いました。

ムジンバ県エディンゲニ保健センター管轄下の26村を対象とした同プロジェクトはJICA草の根技術協力の枠組みを利用したものであり、実施期間は3年でした。マラウイ国において村へ保健サービスを届けるのは健康監視員と呼ばれる人々ですが、幾つかの事情により健康監視員が村の中における活動に十分な時間を割くことは難しい状況でした(現在もその基本的な状況は変わっていません)。そこで、当プロジェクトでは村の中にボランティアを育成し健康監視員が行っている活動の一部を担ってもらう形を模索しました。ボランティアは村において栄養等に関する知識の普及を行うとともに、月例の成長モニタリングにおいて対象児の成長を把握する作業を補佐しました。

当プロジェクトは知識の普及に成功したと言えます。例えば、出生後母乳のみで子どもを育てるべき期間について「6ヶ月」と正しく答えた母親等の割合はプロジェクト介入当初の17.6%からプロジェクト終了時には97.8%へと増加しました。また、得られた知識を実践しようとする動きも見られました。生後6ヶ月間を母乳のみで育てた母親の割合は当初の55.4%からプロジェクト終了時には93.9%まで増加しました。他方、5歳未満児を対象とした月例の成長モニタリングへの参加率も、プロジェクト開始当初30~40%であったものがプロジェクト終了時には82.8%にまで上昇しました。

さて、報告会の席上で当プロジェクトから行った提言は幾つかありましたが、紙面の都合上、2点のみご紹介します。まず、我々が現地で実施した調査によれば妊婦の栄養不良を示唆するデータが得られています。したがって、妊産婦のみならず妊娠可能な年齢にあるすべての女性に対して、離乳食だけではなく妊娠期の栄養までを含めた教育を実施すべきでしょう。また、栄養が子どもにきちんと届けば低栄養は改善します。マラウイ国が実施している急性低栄養児に対する治療プログラムへ当プロジェクトが緊急支援を実施した際には、対象児の体重および身長に増加が見られました。また、終了時調査によれば、児の肉魚卵の摂取回数並びに年齢別体重・体重別身長との間には一定の相関が認められています。対象児をフォローすることは簡単ではありませんが、栄養を摂取させる工夫が必要となります。