2015/12/10

マラウイ「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」の進捗について

ISAPH Malawi 村井 俊康 

研修中のボランティア


村における栄養教育の風景


現在ISAPHは、マラウイにおいて「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」を聖マリア病院と共同で実施しています。5歳未満児の栄養状態の改善を目指す当プロジェクトはJICAの技術協力の枠組みを利用したものであり、2016年5月のプロジェクト終了へ向けた追い込みを行っている最中です。

当プロジェクトが栄養改善のために採用している方法は、大別すると2種類が挙げられます。まずは知識の普及です。マラウイでは食べ物が全くないという訳ではないのですが、人々が口にするものに栄養の偏りがあることは否めません。そこで、子どもや母親に、子どもたちの成長に良い食べ物を食べてもらえるような知識の普及が必要となっています。また、栄養のみではなく、下痢や寄生虫の予防につながるような教育を含めて、当プロジェクトでは総合的な知識の普及を実施しています。

2つ目の方法は、マラウイ政府が実施している保健医療サービスの補完・強化です。マラウイではもともと医師や医療従事者の数が足りず、保健医療サービスの充足のためにHSA(健康監視員)とよばれる人材を育成してきました。しかし、実際には健康監視員の数も不足しており、このような状況が十分な保健医療サービスの提供を難しくしています。そこで、当プロジェクトでは各村においてボランティアを育成し、健康監視員がボランティアと協働できるような体制を目指しています。また、低栄養児の数を減少させるためには、低栄養状態に陥った児を、マラウイ政府が実施している治療プログラムへと拾い上げる必要もあります。そこで、現地保健センターと共に、対象児の体重測定を含めた成長モニタリングを毎月実施しています。

当プロジェクトが重点的に活動を行っている拠点8村の中には活動が停滞した村もありましたが、新しいボランティアを募り研修を行うことによって上記のような活動を再開させています。また、当該8村において活動の形を作りながら、順次それを他の村へも拡大している最中です。  

3年という限られたプロジェクト期間の中で低栄養児の比率等を劇的に改善するようなことは非常に難しいと言わざるを得ません。しかしながら、その分、当プロジェクトには様々なことを試行し、また、今後の活動に資するようなデータを収集することが求められています。対象村を広げ、拠点8村における対象児の数が950名(2015年9月末時点)となっている現状では、各種データの分析について手作業では追いつかなくなっている状況ですが、情報処理技術を用いることにより異なる方面からのデータ分析及び利用を試みています。また、今後も当プロジェクトの進行もしくはマラウイ国の保健医療システムの改善に資するような基礎データの収集に努めるとともに、それらを可能な限り数字で、また、視覚的に表現することによりマラウイ政府等に対して適切なフィードバックを行うことができればと考えています。

最後になりますが、今年に入り当プロジェクトの活動に関連し、大豆栄養の一例として、大塚製薬株式会社様から提供していただいた大豆栄養食品を配布するといった試みも行いました。また、公益信託アフリカ支援基金様より資金を得てヘルスポストにワクチン保管用の冷凍冷蔵庫を導入しました。太陽光発電で稼働する同冷凍冷蔵庫に保管したワクチンを、他のヘルスポストにおける予防接種に利用するといった広がりもみられます。