2015/10/23

愛媛県立医療技術大学スタディツアー

ISAPH 事務局

 2015年8月23日~25日に、ISAPHラオス事務所にて愛媛県立医療技術大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。参加された方から感想文を頂戴しましたのでご紹介いたします。

                              

ラオススタディツアーを終えて
愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科2年 皆川真里奈

今回、ラオススタディツアーに参加させていただき、国立病院や県病院、郡病院、村での保健活動の見学をさせていただきました。私が特に印象に残っているのは、村での保健活動です。子供の身体測定や妊婦健診、健康教育などを行っている場面が強く心に残っています。村では吹き抜けの小屋で保健活動を行っており、木製の器具で身長を測り、乳児を籠の中に入れて体重を測定した後、乳児の腕に直接数値を書いて部屋の奥でその数値を用紙に記入していました。また、一部には母乳が悪いものだという考えがあり、低栄養乳児が多いことは聞いていましたが、実際に日本の赤ちゃんと比べて痩せているように感じたことなど日本とは異なる開発途上国の現状を目の当たりにしました。

日本ではどこに住んでいても質の高い医療を受けることができ、地域によって大きな差はありません。しかし、ラオスでは、首都であるビエンチャンは道路が整備され、医療機器や医療スタッフも存在しているため、それなりの医療を受けられますが、村では病院までの交通手段や、医療機器・医療スタッフが乏しいため十分な医療を受けられないことなど、地域によって医療状況や生活環境が異なっており衝撃を受けました。そして、開発途上国の現実に目を向ける必要性を痛感しました。

また、このスタディツアーでISAPHの方々をはじめ、他大学の方とも交流することができ、非常に良い刺激になりました。

今回、ラオスで経験したことを心に留め、医療を学び始めた一人として、さらに様々な物事に目を向け、視野を広げたいと思います。この度は、このような素晴らしい機会を設けてくださり、誠にありがとうございました。

村で行っていた身体測定

ラオススタディツアーから得た学び
愛媛県立医療技術大学保健科学部看護学科3年 古田彩佳

私は今回ラオスのスタディツアーに参加し、貴重な経験をさせて頂きました。タケクでの病院見学、看護学校、保健局、ヘルスセンター等の訪問を通して、地方の保健状況を実際に目の当たりにし、首都ビエンチャンとの差を強く感じました。中でも、カシ地区ブーンサナン村での母子保健活動の見学は非常に印象深く、子どもたちや母親、これから母親となる妊婦の方の笑顔を見て、この笑顔を守っていくために出来ることは何なのかを考えさせられると共に、現在行われている保健活動や支援を継続していく必要性を感じました。活動一つ一つは小さいものであっても、その小さな積み重ねが命を救うのだと思います。実際に、健診受診率増加や施設分娩増加等、これまでの支援が成果として表れていると知りました。しかしその反面、克服するべき課題も多く存在し、その背景には、環境だけでなく教育や風習等、数多くの要因が深く関係しているということも学びました。ブーンサナン村での活動においても、字の読めない母親にも理解できるように写真や絵で訴えかけており、生まれた地域や教育レベルによって受けられる医療・健康教育に差が生まれないようにする工夫だと感じました。そして、活動を実施する地域住民に対して最も効果的な健康教育を行うためには、まずその地域・住民を多角的に捉え、理解することが不可欠であり、それはラオスに限らず日本を含む世界に共通して言えることであると考えました。

全ての人が平等に医療を受けられるようにするために、自分に出来ることは何か、今後この経験を活かしてさらに学びを深め、模索していきたいと思います。

身体計測中の親子

ラオススタディツアーを通して
愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科2年 松本泰三

医療人を目指す者として、視野を広げる経験になると思い、今回のスタディツアーに参加させていただきました。ラオスの病院や大学、医療研究機関など様々な場所で学ぶことが多く、とても有意義な時間を過ごせました。

病気になっても病院には行けない、または、行かない人も多くいるラオスの現状に考えさせられるものがありました。人々の保健衛生に対する認識や医療サービスの質は低く、ラオスの医療事情を目の当たりにして驚愕しました。例えば、臨床検査においては、先進国から寄贈された機器はあるものの、扱い方や保管に問題があり故障していること、試薬不足や検体管理が甘いことなど、基本的な技術指導の必要性を感じました。医療における常識は先進国と全く異なることを実感しました。

また、村での保健活動見学は、現地の方々との距離が近く、身体検査や妊婦健診、イラストを使った衛生教育など、とても印象に残りました。インフラ設備は未発達で、衛生環境も良くありませんでしたが、子ども達の笑顔は明るく、海外支援の存在がどれだけ重要で大切なのかが理解できました。

授業で教わること、ネットや資料で調べればわかることなどはたくさんありますが、現地を訪れて、実際に自分の目で見て肌で感じることの重要性を認識しました。また、どこに着目して、どのような視点から捉えるか、その難しさも痛感しました。

今回のような素晴らしい機会を設けていただき、心より感謝しています。本当にありがとうございました。

保健活動(衛生教育)の様子

スタディーツアーに参加して学んだこと
愛媛県立医療技術大学保健科学部看護学科3年 松本茉悠子

ISAPHのスタディーツアーとして、ISAPHの事業説明やカシ地区の母子保健活動の一つであるモバイルクリニックの見学をさせていただきました。この見学で一番印象に残ったことは、日本とラオスとの間にある習慣や文化の違いでした。日本では母乳育児が率先して行われています。しかし、カシ地区には母乳に対する正しい知識が不足している等の理由で子どもに母乳を与えず、コンデンスミルクやモッカオを与える習慣や、食物タブーを行う習慣が現在でも残っていました。このような習慣により、低栄養状態による低体重児、ビタミンB1欠乏症による乳児死亡数が多いということを教えて頂きました。これは昔から続く習慣であり、簡単に変えることは難しいかもしれないけれど、子どもを大事そうに抱えている母親の姿を見て、子どもを大切に思う母親の気持ちは世界共通であると感じました。そのため、子どもにとってどうすることが一番いいのかを根気強く伝えていくことが重要だと考えました。

今回見学させていただいたカシ地区では、ISAPHの活動が積極的に行われており、その成果として低体重児や乳児死亡率が減少しているとのことでした。一方で、ISAPHの活動が行われていない地区では、母親の知識や行動に差があるため、カシ地区で行った活動を他の地区でも実施する必要があると思いました。

今回は貴重な体験を数多くさせていただき、本当にありがとうございました。

母子保健プログラムに来ていた親子と

ラオススタディツアーに参加して
愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科2年 石川佳那

今回ラオススタディツアーに参加し、様々な経験をさせていただきました。その一つとして特に印象深かったのが、ISAPHの方々がカシ地区で行っていたモバイルクリニック活動です。現地でISAPHの方から子どもの栄養状態の向上や、モバイルクリニックへの参加率の上昇の話を伺うと嬉しくもあったのですが、赤ちゃんが日本よりも痩せていることが悲しくもありました。しかしカシ地区の人々はとても友好的で、常に笑顔で接してくれたことから、人々の生活水準や健康度と幸福度は必ずしも比例しないとも感じました。

また、ヘルスセンターも見学しましたが、想像以上に建物がきれいで医療用品が備わっていることにも驚きました。このヘルスセンター設立により、今まで病院へのアクセスが困難だった地域にも医療が行き届くことをうれしく思います。ただ、今回のラオススタディツアー全体を通して、ラオスにはこれからも発展の可能性が存在することを嬉しく思うのですが、今の段階では私がラオスに何も貢献できないことをもどかしくも感じました。その気持ちをISAPHの方に伝えると、たくさんの励ましのお言葉をいただき、将来自分のしたいことが、少し定まったように感じています。

この度ラオスで実際に働いている方からお話を伺えたことを、とても嬉しく思います。これからもラオスの医療が向上し、さらに人々の笑顔が増えることを期待しています。

ラオスの人々の笑顔

家庭の外からの影響と内からの影響
愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科2年 長嶺優菜

今回カムアン県のスタディツアーを終えて、日本とラオスの保健事業における違いはもとより、生活環境の違いを目の当たりにして衝撃を受けました。

ブーンサナン村でのモバイルクリニックに同行させていただいた際には、人気のない道路脇に散乱していたゴミや、裸足で濁った水たまりに足を入れる子供たち、家畜との境界線のない村の生活など、日本での生活に慣れてしまっている私にとっては少々信じがたい光景の連続でした。今回の集会では一つの小屋に大勢の母子と妊婦さんの姿がありましたが、活動開始当初は数人のみの参加で、遠巻きに見ている人の方が多かったという話を聞いて、地域に活動が根付いてきているのだと感じました。小屋の近くから12~3歳の少女たちも活動を覗きにきていたのに気づいたので、研修を受けた母親が家庭に帰って得た情報を共有しているのかが気になりました。自分自身、幼いころから母親が食育熱心だったため基本的に体調を崩すことはほとんどありません。また、地域ごとの風習が生後間もない乳幼児への授乳の有無に影響を与えていたという話からも、母親が外部の保健活動から得た知識を次の世代へ伝えていくようにすることが、母子保健事業の最終目標であるように感じました。

セバンファイ郡保健局長の方の「12月でISAPHからの支援期間が終了した後も継続して活動を行っていく」という言葉に心から期待したいと思います。

健診終了後に保健局員の話を聞く、母子手帳を持つ母親とその子供たち

ラオススタディツアーに参加して
愛媛県立医療技術大学保健科学部看護学科3年 木村詩緒莉

私はISAPHのスタディツアーでカシ地区のブーンサナン村での母子保健プログラムに参加させていただいたことが一番印象に残っています。乳幼児の身体測定や妊婦の子宮底長の測定などに立ち会わせていただき、実際にお母さんたちと関わることが出来ました。言葉は通じないけれど、身振りや表情で子育てに関して不安なことはないかと尋ねると、子どもの身長が伸びないことが不安だと教えてくれました。身長の測定後、ISAPHの職員の方に大丈夫だと声をかけられていて微笑んでいるところをみて、一言だけでも声をかけてもらうことで不安は解消するのは日本と同じなのだということを実感し、相手の気持ちを考えて声をかければ心に寄り添うことが出来るのだと学びました。

今回の妊婦健診でも参加率は100%ではなく、特に農業が忙しいときは受診率が下がるということを聞いて衝撃を受けました。一方で、受診率を上げるために、健診に来れば来るほど政府からお金がもらえるシステムがあることを知りました。日本で当たり前だと思うこととの違いを強調するのではなく、その土地、文化、習慣、考え方などを理解して相手にあった最適な方法を見つけることが大切なのだと感じました。

一方通行ではない支援とはなにか、より多くの人に安全を伝えるためにはどうすればよいのかなど自分の中で学びを深めたい課題も出来ました。今回は貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

カシ地区の母子保健プログラムにて