2015/10/22

東京医科歯科大学スタディツアー

ISAPH 事務局

 2015年8月23日~25日に、ISAPHラオス事務所にて東京医科歯科大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。参加された方から感想文を頂戴しましたのでご紹介いたします。

                              

スタディーツアー参加を通して
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科検査技術学専攻3年 菊池みなみ

ISAPHのスタディーツアーへの参加を通して、私は次の二つのことが胸に残っています。

一つは、ISAPHが支援をなさっている病院やカシ地区のブーンサナン村での母子健康活動の見学をさせて頂いた中で、支援が村の人々の生活に浸透している様子を実感できたことです。特に母子の定期健康診断では、母親が母子手帳をしっかりと持参し、健診結果を記帳している姿が印象的でした。セバンファイ郡病院においても、少しでも多くの妊産婦の方々に病院へ健診に来て頂けるように、健診に来た回数に応じて受診料の割引や、受診される方の家から病院までの距離を考慮した病院との往復の交通費の負担などを行っており、母子健康問題への理想的な対応が実現されているのを伺い、感動しました。

また、ブーンサナン村での母子健康活動の見学の際に、村の中の様子も少し見学させて頂いたのですが、村の人々の笑顔に心を打たれました。村には陽気な音楽が流れ、蝶が舞い、豚が子豚を連れていたり、牛や犬が歩いている中を、子供たちが笑顔で元気に走り回り、それを家の軒下から家族が笑顔で見守っている光景を目にしました。私はその時、現代の日本の我々が忘れかけてしまっている何かを感じ、幸せについて深く考えさせられました。

今回のツアーへの参加は、自分や未来について考えるターニングポイントとなりました。このような貴重な体験をさせて頂けたことに、心より感謝致します。

ブーンサナン村で赤ちゃんと触れ合いました

ラオス・タケク地区で学んだこと
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体検査科学専攻修士1年 生駒勇人

ISAPHの事務所を訪れてみて、初めて海外で活躍される臨床検査技師である赤羽さんのお話を聞くことができました。青年海外協力隊にてラオスの地方病院に専門スタッフとして臨床検査技師としての職務をこなした後に、その経験を生かし、ラオスのタケク地区にてISAPHの保健衛生活動に従事され、乳幼児の成長モニタリング、健康教育教材の作成など母子の健康状態の向上を目標とした活動には大きく心を動かされました。検査技師が国外にて行える活動は研究や教育に限られていると考えていましたが、赤羽さん達ISAPHの保健衛生活動に技師が活躍する場があるのは私たちの学生の新たな選択肢とモチベーションの向上につながると思いました。

県病院、郡病院、ヘルスケアセンターの三段階の医療レベルを比較して、検査部という立場からは郡病院レベルの施設では不十分であり、診断に十分な検査項目を行えるのは県病院レベルであり、そこに受療できる人は経済的にも、地理的にも限られているという実情は改善するには数年の年月が必要であると感じました。しかし、郡病院に設置されていた唯一の腹部エコーをみて、各地区の病状のニーズに合わせた検査を部分的に強化、運営するのは可能である気がします。例えば、高血圧の人が多い地域の郡病院には血圧測定器を、妊婦が多い地域にはエコーを設置するなど。カシ地区のブーンサナン村を訪れて、ISAPHの母子保健の集会を見学して、参加者の多さに驚き、妊婦健診も見させていただき、健康教育の成果を間近に感じることができました。

ブーンサナン村の集会での幼児の身長測定の様子

ISAPHスタディーツアーを終えて
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻2年 瀬戸菜月

私は以前から海外ではどのような医療がなされているのか、日本とはどのように異なっているのかということに関心があり、とくに開発途上国の医療状況に興味をもっていたため、今回のスタディーツアーに参加させていただきました。今回のスタディーツアーでは、病院や郡保健局の見学、看護学校での交流や村での母子保健活動の見学をすることができ、自分にとって意味のあるとても貴重な体験となりました。

中でもとくに印象に残っているのは、カシ地区の村での母子保健活動の見学です。月に一回程度行われる母子保健活動では5歳未満の子供の身長測定や体重測定、妊婦健診、栄養についての教育を行っていました。私はこの見学を通して、日本とは異なる部分が多いものの、共通する部分もたくさんあるのではないかと考えました。体重は籠に子供を入れて測るということや、身長は木の板を使って測るなど、使う資源が限られているがゆえに方法は異なりますが、根本的にやっていることは日本と同じだと感じました。また、子供をあやす母親の姿や子供を思う母親の姿、子供同士で遊んでいる光景や子供たちの笑顔はどこでも共通しているように思いました。

私は今まで異なることばかりに注目していましたが、必ずしも全てが違っているわけではないということ、またそうした違いがあっても良いことを学びました。今回のスタディーツアーによって自分の視野を広げることができたと思います。たくさんの貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

カシ地区の村での母子保健活動の様子

経験と出会いに感謝
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科検査技術学専攻3年 柿沼都

開発途上国における医療サービス及び保健活動について興味を持っていたため、渡航が決まった時からISAPHのスタディーツアーを楽しみにしておりました。はじめにISAPHの事務所で活動内容について伺い、その活動の幅の広さに驚きました。村に赴いて健診を行うモバイルクリニック、健康教育教材の製作や医療従事者に向けた研修会、井戸やトイレのモニタリング、治療費・粉ミルク・出産費用の支援などがあり、ひとつひとつの問題に対して真摯に取り組んでいらっしゃる姿勢に感銘を受けました。また、実際のモバイルクリニックの様子を見学させていただきました。村の集会所のようなところに到着すると、すでに40人近くの母親と子供が集まっており、このモバイルクリニックが住民に受け入れられている様子を目の当たりにし、活動の大切さを感じました。今回特に私が印象的だったのは、ISAPHのスタッフの方々の中に臨床検査技師の資格を持った方がいらっしゃったことです。私は現在臨床検査技師になるための勉強をしていますが、国際保健の分野では医師や看護師の活躍が目立ち、臨床検査技師として国際保健に貢献するにはどうすればよいのか具体的なイメージが湧かなかったのですが、実際にISAPHのスタッフとして臨床検査技師が活躍している姿を拝見できたことは将来の進路の選択肢として大変参考になりました。

「百聞は一見に如かず」とよく言いますが、ラオスの医療事情についてこのスタディーツアーを通じて学ぶことができ、大変感謝しております。今回の経験や出会いを忘れず、今後の勉学に役立てて行きたいと思います。

モバイルクリニック後の住民の方々と一緒に

ISAPHで得られた経験について
東京医科歯科大学保健衛生学科看護学専攻3年 プジョー恵美里

今回のISAPHでの研修で、自分の将来について特に深く考えた場面が2度ありました。

一つは、タケクで郡病院の手術室看護の改善のために日本から派遣された看護師にお話を伺ったときです。ISAPHの方々の計らいで、予定していなかったこの面会を実現していただきました。彼女は高校生の時から海外で看護師として働くことを希望しており、大学に入ってから看護の勉強と同時に英語の勉強に力を入れ、在学中に1年間海外留学を経験したといいます。就職後、職場に海外で働きたいという意思を初めから表明して、周りの協力を得ながらその希望を叶えるための準備を進めました。途上国で活動するのに必要なだけ日本で経験を積んだのち、ラオスでの募集に応じていよいよ、かねてからの夢を実現することができました。ラオスでの活動では、お互いの考え方や習慣の違いに悩むことが常であるものの、それと同時に充実感を感じているといいます。私は、まだ自分が途上国での活動に参加したいかどうかわからないという状況ではありますが、いざするとなったら、これだけ入念な準備が必要だと分かり、とにかく今から語学に力を入れること、海外協力に興味を持ち続けることをしようと思いました。

もう一つ、自分の将来について考えた場面は、カシ地区での母子保健活動を見学した際に、日本人スタッフは現地の医師や助産師の手伝いをするのではなく、助産師の働く場づくりをしていることがよくわかった時です。日本の団体の活動としての母子保健だが、そこで働いているのは日本人でなくすべてラオス人、日本人スタッフたちは見守ることに徹していました。そのような活動の形に、私も参加していくかもしれないと思いましたし、そのためには語学や看護だけでなく教育やマネジメントの知識も必要だと思いました。

このような、将来について考える機会を作ってくださったISAPHの皆さんに厚くお礼申し上げます。

カシ地区におけるラオス人職員による、母子保健活動の様子

長期支援の重要さ
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科検査技術学専攻3年 瀬田安奈

医療や保健衛生が十分に行き届いていない地域の現状に興味があったため、今回のラオス滞在において何よりも楽しみにしていたのがISAPHスタディツアーのカシ地区ブーンサナン村での母子保健見学でした。そこではたくさんの妊娠中の女性や小さな子ども連れのお母さんたちがおり、子どもや妊婦の定期健診をしたり栄養に関する説明を熱心に聞いたりしていました。栄養の説明は3大栄養素の必要性や摂り方の説明が自由に質疑応答を交えながら紙芝居のようなイラストを多く用いて行われており、誰にでも分かりやすく、気軽に受け入れられるような工夫が感じられました。また、測定値を子どもやお母さんの腕にペンで書いて記録するという方法は日本ではあまり見ない方法ですが、母子手帳を記録するための備忘録や、別の保健師への伝達ミスの予防として役立っている様子が伺えました。この地域で10年ほど続いたISAPHの支援は、現地の医療スタッフに十分なノウハウを伝えることができたため今年末で支援を終了するということでした。様々な工夫を凝らしながら、その地域の人々に受け入れられる保健医療教育が根付くまでに10年もかかるということに支援することの大変さを感じ、また10年という長い間つねに慎重に考えながらその地域の人の習慣や特性に合わせた支援を続けることの重要さを、実際に目で見て感じることができた貴重な機会でした。このような機会を学生のうちに与えて頂いたことに深く感謝しています。

ブーンサナン村の母子保健指導にて