東邦大学医学部看護学科スタディツアー

平成25年7月24日~27日に、東邦大学医学部看護学科のスタディツアーの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。

ISAPH 事務局

ISAPHの感想

私は以前から国際協力に興味があり、いつかは私も国際協力に携わる仕事をしたいと思っていました。今回、国際協力を行っているISAPHの方たちが実際に活動している様子が見学できるという事で参加するのをとても楽しみにしていました。

今回は、ISAPHの方たちとケンケーン村のモバイルクリニックに参加させていただきました。そこで乳児健診や予防接種、妊婦健診、住民自身で行っている健康教育を見学しました。健康教育では、食物タブーの事や妊婦さんの栄養指導などを行っていました。食物タブーを行わないようにするのはとても難しいと以前授業で教わりました。その文化を行わないように理解してもらい行動を変えてもらうことは難しいため、ISAPHの方たちの並々ならぬ努力の上に健康教育が行えているのだと思いました。今回参加し、知識と実際に見るのとでは全く違うと思いました。貴重な体験ができ、本当に良かったです。ありがとうございました。経験したことを忘れずに努力し、いつか国際協力の場で働けるように頑張りたいです。

東邦大学医学部看護学科4年 葛城 萌

ISAPHの活動にふれて

今回私たちは、ISAPHの方のご協力のもとラオスのセバンファイ郡で妊産婦健診の現場見学及び参加をさせていただきました。私は開発途上国における妊産婦死亡・小児死亡低下に向けた母子保健の推進を実際にどのような方法で実施しているのか興味があったので、お話が聞け参加もできとても学びの深い実習になりました。

前日のお話で日本の妊産婦健診における認識と異なる点を聞き、モッカオや食物タブーのような地元の習慣が残っている場所でどんな健康教育をするのか気になっていました。健診ではどのくらい日本との違いがあるのかと思っていましたが、内容はほぼ同じでした。予想していた以上の参加者数があり、教育指導におけるお母さんの関心度も思っていたより高いように感じ、少しずつお母さんたちの認識も変わっていっているのだなと思いました。また、お母さんたちが熱心に健康教育を聞いている姿や、子どもたちとお母さんの「笑顔」 をたくさん見ることかができ嬉しく思いました。

今回実際に目にすることはありませんでしたが、健康教育の内容からもモッカオや食物タブーのような習慣が続いていることを知り、ビタミン B1 欠乏と地域住民の食習慣とのつながり、食習慣が健康に及ぼす影響など、食習慣や日常習慣に対する介入がこれからも必要なのだなと実感しました。ですが、習慣というのを変えることは難しく、相手の文化を否定するのではなく理解し、相手にも理解を求め、認識を変え、そうして行動変容に至るまでの経緯は容易くないのだと思いました。私は異文化での支援の難しさを感じ、私にできることは何か、そのために今の私に足りないものは何かを見つけることができました。

私は将来、看護師として青年海外協力隊へ参加するなど、なんらかの形で国際協力に携わりたいと考えています。 そのため、今回の経験で将来の夢や目標が立てやすくなりました。今後異文化に触れる機会を増やしていき、途上国の現状についてもっと知っていこうと思います。このような場を提供していたただきました関係者の方々、ラオスの人々に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。

東邦大学医学部看護学科4年 芦沢 幸恵

小さな村で学んだ大切なこと

私がISAPHのスタディツアーで一番印象に残っていることは、ケンケーン村の母子保健プログラムに参加させていただいたことです。本当に自然と共に暮らしているような小さな村でしたが、私が想像していた以上にたくさんの村人の方々が参加されていて驚きました。汚れた服を着て、裸足で土の上を歩いている子どもたちも大勢いました。はじめに村に着いた時には、医療も行き届いておらず、衛生状態も悪い、そんな印象を受けました。健診に使用する道具も方法も、日本の病院で使用されているものとは違ったので少し戸惑いました。しかし、健診を手伝わせていただいているうちに、自然と声かけやアイコンタクトなどができている自分に気がつきました。何より、村人の皆さんの笑顔や優しさが本当に心にしみました。日本のような先進国で暮らしていると忘れてしまいそうな、人間本来の暖かさや人と人とのつながりの大切さを強く感じました。私はもともと、医療が行き届いていない小さな村などの医療に興味があったこともあり、今後の自分の人生について考えていく上で、今回の経験は大変貴重なものになりました。この経験を忘れずに、自分自身としっかり対話しながら、自分らしく看護師として働いていきたいです。v

東邦大学医学部看護学科4年 久保 千郷

ISAPH 感想

私はラオスにくるまでには、ISAPHの活動は直接的に関わる妊婦健診や乳幼児の身長体重測定などの項目が主なものだと思っていました。しかし、今ある現状の回復のアプローチとして健康教育や予防接種にも関与していると知り、日本の保健所と同じ役割を担っていると感じました。

講義でお話くださった活動の内容には井戸、トイレの設置などの衛生面への関わりもあり、私の思っていた活動とは少し違う印象を持ちました。今回、村に入らせていただいた時のことなのですが、道の悪さに衝撃を受けました。このような地域ではモバイルクリニックですら入り込めないと聞き、健康を維持する難しさと一見健康には関与しなさそうな事も大いに関わってくる事を実感しました。

こんなにたくさんの物事を、少ない職員の方々が地域の方々と協力しながらプロジェクトの為に活動していて、今回その現場に直接関与させて頂いた事は私にとって素晴らしい経験になったと思います。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

東邦大学医学部看護学科4年 田中 舞子

スタディツアーに参加して

平成25年7月24日から7月27日のスタディツアーに参加し、カムアン県保健局、カムアン県病院、セバンファイ郡病院、ケンケーン村活動の見学をさせていただきました。特に印象的なのは、ケンケーン村での母子保健プロジェクトです。村の人々が健康教育を聞くために大勢集まっている様子を見て、ISAPHの熱心な活動により、これらのプロジェクトが村の人々の生活に根付きつつあると思いました。

スタディツアーを通して痛感したのは、健康教育を成功させるために大切なのは、村の習慣や伝統を否定したり、最新の医療の知識や私たちの常識を一方的に押し付けるのではなく、相手の生活習慣や考え方を理解し尊重することだということです。例えば、村のいたるところに家畜の糞尿が落ちていました。これは育児をする環境としては不衛生であり、日本では考えられないことです。しかし、この村の人々にとって家畜は大切な財産であり、生活の一部です。ですから、私たちが彼らの文化を学んだ上で、共に最善の方法を考えていくことが大切なのだと感じました。

村での母子保健活動や病院を自分の目で見ることができ、とても貴重な経験をすることができました。ありがとうございました。

東邦大学医学部看護学科4年 中田 みどり

ラオスにおけるISAHPの活動に参加して

今回ISAPHのスタディーツアーに参加させて頂き、前々から関心のあった開発途上国における国際支援活動の現場を見学する貴重な経験となりました。中でも、ケンケーン村での「モバイルクリニック」についてとても印象に残っています。参加者が少ないのではないかというイメージがありましたが、モバイルクリニック開始の放送を流すと子どもたちを連れた多くの母親が訪れてきていました。その場では、日本とは異なり道具が不十分な中での乳幼児健診や健康教育が行われていました。しかし、ラオスは識字率が低いゆえに、参加している住民が視覚で認識できるようにイラストを用いたり、また、産後の食物タブーという習慣がある中で、ただこちら側の考えを押し付けるのではなく正しい知識を提供し自ら行動変容を起こせるような関わり方をしたりと様々な工夫がなされていました。国際支援活動を行っていく中で、今まで築き上げられた現地の文化や習慣、価値観というものを尊重し、そして住民との継続した関わりの中で、信頼関係を築き上げていくことが大切なのだと感じました。

東邦大学医学部看護学科4年 三井 悠代

現地でISAPHの活動を学んで

ラオスでは実際にISAPHによる村でのモバイルクリニックに同行させていただきました。モバイルクリニックでは妊婦・乳幼児を対象に健康診断や健康教育を行い、私は妊婦の子宮底や血圧の測定などのお手伝いをさせていただいたり、村の子どもたちとコミュニケーションをとったりしました。特に印象的だったことは、活動がラオスの文化や状況に合わせて行われていたことです。ラオスでは識字率が低いため健康教育では絵を多く使用し、見ただけでも内容がわかるように工夫されていました。また、モバイルクリニックへの参加を促すために健康教育にゲームを取り入れたり、毎回別の人が行ったりして飽きさせない工夫をしていることが分かりました。

実際に村を訪問するまではあまり明るいイメージを持っていませんでしたが、訪問してみると多くの村人が集まり活気や笑顔であふれていました。また、現地で活躍しているISAPHの方々をとてもかっこいいと思いました。

東邦大学医学部看護学科4年 山崎 由佳

ケンケーン村でのモバイルクリニックに参加して感じたこと

今回ラオスで私たちに貴重な体験をさせていただいて本当に感謝しています。中でも1番心に残っていることはケンケーン村でのモバイルクリニックに参加させていただいたことです。そこには、日本ではもちろんテレビでも見ることができない光景を目の当たりにして驚いたと同時に、今の自分には何もすることができない悔しい感情が湧きました。食物タブーやモッカオを与えるなど文化や風習によって乳幼児死亡率が高い中、文化を否定するのではなく新たな育児方法を提供することで相手が受け入れやすくなると感じました。それはとても長いスパンが必要なことだけれど、小さなことを積み重ねていくことが開発途上国で活動するにあたって特に重要なことだと実感しました。私も何事にも諦めずに前を向いてこれから看護を学び、今回経験したことを生かしていきたいと思いました。ありがとうございました。

東邦大学医学部看護学科4年 山本 千草

スタディツアーに参加して

今回のスタディツアーで衝撃を受けたことは、モバイルクリニックでの出来事です。その日は雨が降っていて、道路の整備がされていないために地面がぐちゃぐちゃで、さらに牛の糞も混じっていたのにも関わらず、子どもたちは素足で遊びまわっていました。飴を子どもたちに配ったのですが、泥がついている手で飴をペロペロ舐め、口から出したり、入れたりしていました。日本で暮らしてきた私には信じられない状態であり、これでは衛生もなにもないなと思いました。それでも子どもたちや住民の方々の笑顔は輝いていて、日本では最近地域住民とのつながりが希薄になりつつありますが、この村では同じ地域に暮らす人々としてのつながりや連帯感を見ることができました。今の私にできることは医療や支援が行き届いていない現状を広めることくらいですが、国際協力をするにあたっては、その国の人々の文化や生活を理解した上で一緒に考えていき、その積み重ねで少しずつ改善できるものがあることを学ぶことができました。

東邦大学医学部看護学科4年 吉田 千紘

ISAPH職員からモバイルクリニックの説明を受ける様子

小児の身長測定をお手伝い

活動地区の村で記念撮影

妊婦健診